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視察研修《兵庫県コース》開催レポート*ミライの農業をつくる学生向け研修

10/28(土)~10/29(日)は、「ミライの農業をつくる学生向け研修」STEP2視察研修《兵庫県コース》を開催。2週間前に実施した≪熊本県コース≫に続き、今回も、学校・年齢・作目を超え、視察・視察後のグループワーク・個人発表、全ての時間で大いに盛り上がりました!
その様子をどうぞ!ご覧ください(^^)


▲全国から17名の学生や若者が参加しました!

~~1日目の様子~~

【視察先①】㈱兵庫ネクストファーム

1カ所目は、加西市に拠点を置く㈱兵庫ネクストファームさん。
同社は、山梨県に本社を置くサラダボウルグループが全国展開する農場の一つで、グループの中で最初に設立された統合環境制御型グリーンハウスの農業法人です。今回は農場長の中村さんにご案内いただきました。
生産品目はミニトマトと中玉トマト。生産現場は、農家というよりもはやハイテク工場さながらの雰囲気でした。


▲集合写真。背景に写っているのがトマトハウスです。

計算しつくされた施肥量・温度湿度Co2管理・蜂による受粉などに加え、それらを自動化・省力する機器を導入し、高い生産性と収量の両方を実現させています。
最新型統合環境制御技術を駆使した新しい時代の農業の姿に、受講生一同驚きを隠せない様子でした。


▲中村さんは、異業種でキャリアを積み、その後農業界へ転身された方です。
講義の終盤、質疑応答の中で「学生のうちに学んでおいた方が良いことは何ですか?」という受講生からの質問に、「これからの農業者は語学も重要だよ」と民間経験者だからこその視点も織り交ぜ、お話くださいました。

【視察先②】吉田農園

2ケ所目の視察先は吉田農園さん。代表の吉田さんは、ご自身の目が行き届く範囲での農業を大事にされる農家さんです。
会社員を経て2003年に家業の農業にて就農された吉田さん。現在は16aのハウスで栽培したイチゴを、農場前の直売所でのみ販売する手法で、これまで支えてくれたお客様一人ひとりを想いながら栽培に取り組まれています。


▲受講生に講義をされる吉田さん
『吉田さんからだから買いたい』というお客様がたくさんいらっしゃり、まさに吉田さんご自身が付加価値になり、販売へ繋がっていると感じました。

グループワーク

視察後はグループに分かれ、KJ法を用い『今日の視察で学んだこと・新しい気づき』などをグループ内でシェアし、全員の前で発表しました。


▲グループワークの様子


▲発表の様子

~~2日目~~

 【視察③】ヒロちゃん栗園

2日目は丹波市に移動し、2軒の農家さんを訪問。通算3カ所目となる視察先は、丹波栗の生産や販売をおこなうヒロちゃん栗園さん。代表の山本さんにお話を伺いました。
美味しい丹波栗を食べてほしい、美味しい丹波栗の食べ方を広めたい、そんな栗伝道への熱い想いと、栗の栽培は“木育て(こそだて)”、1本1本愛情を持って接することを大事にする、栗愛♡溢れるパワフルな山本さん。


▲栗の圃場にてご説明される山本さん(写真中央)
栗栽培に本格的に取り組み出したのは2017年頃からとのことでしたが、既に女性部会を立ち上げたり、食事やお買い物ができる「ヒロちゃん栗園DE八百屋さん」をオープンしたり、様々なメディアに出演したりと、精力的にご活躍。


▲「ヒロちゃん栗園DE八百屋」概観
「出過ぎた杭は誰も打たない」「ヒラメキを大事にする」「一緒に農業頑張っていこう」と力強いエールを受講生に送ってくださいました。


▲「ヒロちゃん栗園DE八百屋」の店内で講義をされる山本さん

【視察④】婦木農場(法人名:㈱丹波婦木農場)


4カ所目、今回の研修の最後の視察先は、婦木農場さん。

婦木農場さんでは年間100種類以上の作物(米・野菜など)の生産や、酪農、養鶏、など様々な作目の生産に取り組まれています。
加えて自家製農産物を使い、チーズやおにぎり、醤油、味噌、餅に至るまで様々な加工品を製造したり、農家体感施設「まる」の運営(宿泊・農業体験・農家カフェ)をするなど、多角的な農業経営を展開されています。
しかも、この規模をほぼご家族で経営。自給自足の農家の営みを守ることを大切にされています。


▲講義中の婦木さん(写真左)。
「君は何のために農業をしたいか」という問いに、一同真剣な眼差しになりました。

チーズは国内の様々なチーズ大会で優勝(2021年のALL JAPANナチュラルチーズコンテストでは最高賞となる農林水産大臣賞を受賞!)、月2回農家ご飯×農家見学(オープンファームデー)の企画など、農家としての軸をぶらさず、農家だから提供できる価値を追求し、トライし続ける凄さと大事さを学びました。


▲チーズ直売所の概観


▲店内の様子。酪農とチーズ製造を一手に担うご長男(写真右)とご家族が対応くださいました。

グループワーク

最後は神戸市内に移動し、グループワークと個人発表を実施。
2日間で学んだことの振り返りと、その学びを今後どう活かしていきたいか等について、グループ内で発表しました。


▲1日目同様、KJ法で視察先の学びをまとめ共有しました。


▲3つのグループに分かれて発表。受講生同士の考えや意見を聞くことで新たな気づきも!
発表後は閉会式へ。事務局からも一言ご挨拶をし、2日間の研修が終了しました。

今回の研修に参加した受講生の声(一部)

視察研修について

<視察先①兵庫ネクストファーム>
  • 施設の大規模さ、システマティックさに驚きました。
  • 現場で生き生きと働かれている方々が魅力的でした。
  • 学び先を広げていく大切さ、理念の共感など色々な学びが多かった。
<視察先②吉田農園>
  • 吉田さんのお人柄の柔らかさ、お客様への愛情、イチゴへの愛情が伝わってきました。
  • 人との繋がりの大事さについて学べた。
  • 収益を出すことが農業の全てじゃない、経営には色々な理由があって良い、農業の多様性について学べた。
<視察先③ヒロちゃん栗園>
  • どのような考え方で今に至ったのかとても分かりやすかった。課題の見つけ方や取り組み方が参考となった。
  • 農園を見たり、技術を聞くことができた。栽培にも興味を持てた。
  • ひらめきも大切だと学びました!
<視察先④婦木農場>
  • 婦木さんの、農家としての暮らしを続けていきたい、というポリシーに感銘を受けた。常に新しいものを取り入れていく柔軟さを見習いたい。
  • 長く農業を続けるためにいろんな工夫をされていて勉強になった。
  • 「農家だからこそできること」ということが大切だと学んだ。
<振り返りワーク、全体を通して>
  • 研修に参加した人の意見が聞けて勉強になった。自分が、感じ取れなかったことに気づいている意見が沢山あって勉強になった。
  • 普段では見れないものが見れたり、聞けたり、すごく良い経験が出来て、すごく楽しかったです!またお金を貯めて参加したいです!
  • 2日間、多様な農家さんを見せていただき、本当に充実しておりました。普段なかなか出会わない、今後農家になりたい参加者の皆さんの視点がとても新鮮でした。
  • 農業について深く考える貴重な時間を過ごせた。

 

視察研修にご参加くださった皆さん、ありがとうございました!
ぜひ、今回の学びを日々の学校での学びや、将来へ役立てて頂ければとても嬉しいです。